お義父さん、住み替えを考えてみない?
2019年01月21日
私の住み替えストーリー第3話 「お義父さん、住み替えを考えてみない?」
ハピネススタイル 代表 中村多喜子
そこで私は意を決して、義父に「住み替えを検討してみませんか?」と提案しました。このままだと生活資金が目減りしてしまうこと、自宅を売却すれば適度な家に住み替えることもでき、今後の生活も安心できること―。
ですが、そう簡単には理解してもらえませんでした。最初、義父は「お前たち家族が木更津に住めば?」と言ってきましたが、大学生・高校生の子ども達の通学、夫と私の通勤を考えると、木更津に引っ越すことは非現実的です。元学者である義父は、私たちのライフスタイルを理解することができず、時には叱られることもありました。正直「なんで嫁の私がここまで言われるの…」と思ったこともあります。
それでも根気よく、木更津から出たくない義父のために、生活環境を変えなくてすむように、木更津エリアでの住み替えのパターンをいくつか作りました。そうすると、少しずつですが理解をしてもらえ、ようやく義父も「不動産の仕事をしている息子の嫁が言うなら」と、納得してくれました。
早速、ケアマネに相談しながら、有料老人ホームやケア付き賃貸マンションの資料を取り寄せ、見学に行きました。至れり尽くせりの有料老人ホームは快適で魅力的。とはいえ、初期費用や毎月の施設料(家賃・管理費・食費等)は高額で、預金と年金で賄うのは難しく、比較的初期費用が少額な有料法人ホームを探していきました。ある施設で、3日間体験入居をしてみました。しかし、たまたまなのでしょうか、施設の方と相性が合わなかったようで「老人ホームは嫌だ」と言い始めました。
そこで今度は、ケア付き賃貸マンションかシニア賃貸マンションに絞ることにしました。一見話はスムーズに進んでいきましたが、「部屋が狭い、荷物はどうするんだ。やっぱり、引越ししないで、動けなくなるまでこの家にいるよ」と、振り出しに戻ってしまいました。自分が想像していたのと違っていたようで、やはり頭では理解していても気持ちがついていっていなかったようです。結局、義父が頭を縦に振ることはありませんでした。
「本人が納得できないなら仕方ない…」。一度はそう思いましたが、それでも90歳近い義父を、木更津の一軒家に一人にしておくわけにはいきません。私は家族と相談し、「同居」について考えていくことにしました。
私の住み替えストーリー第3話に続く
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